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可能性をこえる
未来へ向けた
ものづくりの挑戦
社会にも、企業にも「サステナビリティ」が求められる時代。日本冶金は、次の100年も素材を通じて社会に貢献し続けることを目指し、日々挑戦を続けています。
CHALLENGE FOR
SUSTAINABILITY
Challenge
1
新たな素材開発に挑戦
日本冶金が生み出すステンレス鋼や高機能材は、さびにくい、熱に強いなどの特性を持ち、さまざまな産業で活躍しています。再生可能エネルギーや水素エネルギーなど、未来の社会に欠かせない新しい分野においてもその性能が期待されています。こうした多様化・高度化するニーズに応えるため、素材の性能をさらに引き出す研究開発に取り組み、新たな価値創造を目指しています。
Case 1
水素関連分野での技術強化への挑戦
次世代エネルギーとして世界中で注目される水素分野。私たちは、この重要な分野における技術開発を加速させるため、川崎製造所構内に専用の水素試験棟を2025年度中に新たに建設します。この試験棟には、高圧水素ガスやマイナス253℃の液体水素といった特殊な環境下で、材料の強度や耐久性を詳細に調査できる最新の装置を導入します。これにより、私たちが製造するステンレス鋼や高機能材の水素環境下でのより精緻なデータを蓄積し、信頼性の高い素材を供給するとともに、新しい鋼種の開発にもつなげていきます。

CHALLENGE FOR
SUSTAINABILITY
Challenge
2
環境負荷の少ないものづくり
に挑戦
ステンレス鋼や高機能材は長く使える優れた素材ですが、その製造には多くのエネルギーを必要とします。地球環境を守り、暮らしを未来につなげていくために、環境負荷の少ないものづくりを実現することは、日本冶金の責務です。日本冶金は、省エネルギー設備の導入やリサイクル原料の活用、資源の効率利用など、製造プロセスを見直し、持続可能な生産体制の構築に取り組んでいます。
Case 1
「カーボンレス・ニッケル製錬」への挑戦(大江山製造所)
景勝地である天橋立にほど近く、自然や地域との共生を目指す大江山製造所では、ステンレス鋼の原料となるフェロニッケルを製造しています。従来の製造プロセスではエネルギー源のひとつとして石炭を使用し、天然資源であるニッケル鉱石を多用していました。そこで日本冶金は、エネルギー源を石炭からLNGに切り替えるほか、廃プラスチックを活用した還元材の導入、都市鉱山などのリサイクル原料の使用拡大など、複数の工夫を組み合わせることにより、CO2排出量の削減を図っています。

Case 2
都市隣接型製造所としての挑戦(川崎製造所)
歴史ある京浜工業地帯に所在する川崎製造所には、製鋼から最終製品出荷まで、ステンレス鋼や高機能材の製造工程が同じ敷地内に集約されており、小ロット・多品種・納期調整など、小回りの利く対応力が強みです。
環境負荷の低減に向けては、エネルギー効率の高い電気炉の導入や、重油から都市ガスへの燃料の転換に加え、酸素富化燃焼技術※を採用し、製造工程で発生するCO₂排出量の削減を図っています。将来的には、合成メタン・水素・アンモニアなどのクリーンエネルギーを用いた新しい燃料システムの導入を目指します。
※酸素富化燃焼技術とは、燃焼用空気の酸素濃度を21%以上に高めることで、燃焼効率を向上させる技術。この方法により、生産速度の向上や燃料削減、CO2排出の削減を図ります。

CHALLENGE FOR
SUSTAINABILITY
Challenge
3
高機能材の拡販に挑戦
日本冶金の高機能材は、日本国内だけでなく、世界中の産業で広く求められています。エネルギー関連や海洋構造物など、過酷な環境下でも性能を発揮する素材は、各国のインフラや先端技術を支える重要な役割を果たしています。今後は、グローバル市場への展開をさらに強化し、世界のパートナーとともに、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
Case 1
グローバル市場への挑戦
経済成長が見込まれるインドは、重工業の技術レベルが中東や東南アジアと比較して高く、国内外のエネルギー・環境分野を中心とした設備・機器のエンジニアリングおよび製造を担っているため、高機能材に対する需要拡大が期待されています。
日本冶金はこれらの需要をさらに捕捉するため、インド国内に営業拠点としての現地法人を設立しました。現地法人の設立を契機に、宗教的・文化的な多様性の高いインドの商習慣を深く理解し、より現地に根ざした営業活動を通じてお客様との信頼関係をさらに深め、インドの産業発展と持続可能な社会づくりに貢献していきます。

素材を通じてより豊かな未来を
日本冶金は、次の100年に向けて、
グローバルな視点で素材の可能性を広げ、
より豊かな未来の創造に挑み続けます。